60代に大人気!40代からはじめるスキー場スタッフ
若者の定番と思われている「リゾバ」は、実は冬になると、40代〜50代のスキーやスノーボードが好きな方々に根強い人気があるのです。
冬のシーズンのリゾートバイトといえば、スキー場スタッフに注目が集まります。
実は、スキー場スタッフは、以前から、定年退職後のご夫婦が、一緒に応募するケースも増えているのです。
40代〜60代の方々が、スキー場スタッフとして、仕事をしながら、休日はスキーやスノボを楽しんでいるんですよ。
レストランやスタッフ宿舎管理、従業員食堂などでは、50代以上の女性が多いのです。中には70代の方もバリバリ働いて滑っていますよ!
スキー場スタッフのどこが魅力か?というと、スキー場まで徒歩数分の寮に暮らせることです。しかも、休みの日は滑り放題なんですね。
これらの費用は一切無料なので、働いた分は全部貯まります。だから、休みの少ない会社員は、年末年始と連休だけ応募する人が結構いるのです。
でも、はじめてリゾートバイトに応募するとしたら、スキー場で、どんな業務があるのか判りませんよね?
スキー場の業務って寒くて過酷じゃないのかな?なんて思っていたのですが、
少し前に、ゲレンデで滑っているときに知合った、スキー場スタッフに、彼らの仕事や暮らしを聞いたことがあるのです。
驚きましたよ!スキー場スタッフ方々の待遇の良さに!!滑る人なら絶対オススメなんですね!だから、スキー場スタッフの応募もしちゃいました!
知合ったスキー場スタッフに、教えてもらった、オススメ業務は、それぞれ目的別に、
こちらでご案内しています。
(文字をクリックすると開きます。)
ここからのページでは、スキー場スタッフの仕事や暮らしをまとめました。
今回は、幅広い年代の女性スタッフが多い
従業員寮管理人
を紹介します。
なお、登場人物「ハルコ」こと、朝日晴子は仮名です。
従業員寮管理人
寮管理人「朝日晴子」
「ハルコ」は、68歳。
スキー場スタッフの宿舎である女子寮の管理人をしている。
スキー場のオープンと同時に、スキー場には各地からリゾートバイトで働きにやって来る方たちの為に宿舎が用意される。その宿舎の女子寮の管理を任されるのだ。
今年で5シーズン目、毎年12月はじめ頃から翌年3月末迄、管理人として宿舎に滞在する。
冬も元気に働こう!
スキー場から車で1時間程の場所に、ハルコの自宅はある、長年連れ添った夫を7年前に亡くし、春から秋は一人暮らしをしている。
二人の子供は独立し、娘は東京に、息子は車で2時間程の場所で暮らしている。時々孫を連れて遊びに来る。
息子家族が来た時は、自宅の庭でバーベキューをしたり、散らし寿司や煮物など、手作り料理を振舞う。一揆に賑やかになり、楽しいひと時だ。
仕事は、公共の派遣で週に3日程、公園やゴルフ場などの清掃の仕事をする。多少でもお金になるし、何しろ足腰が丈夫になる。
また、自宅にある小さな菜園で、トマト・レタス、ピーマン・きゅうりなどを作っている。当然一人では食べきれないので、近所の人にお裾分けする。
秋になると野沢菜が採れるので、毎年野沢菜漬けを漬けては、近所のや知り合いのひとに配り、喜ばれる。
たまに近所の人たちと、日帰りで温泉旅行に出掛けたりもする。春から秋は、一人暮らしでも元気に楽しい充実した日常を送っているのだ。
しかし冬になると急に寂しく、心細くなる。
冬場は積雪地域の為仕事がなくなるのだ。野菜も作れない。また近所の人たちも寒くなると出歩かなくなる人たちが多いのだ。寒冷地の為、暖房費もばかにならない。
そんな時、知り合いからこの仕事の話を聞いた。歳を取った自分にもできる仕事かもしれないと、思い切って応募してみたのがきっかけだった。
スキー場で滞在すれば、若い人たちとも話すことができるし寂しくないかもしれない。何より体を動かす事が好きなので清掃などの仕事もこなせるだろう。
宿舎は24時間暖房完備で光熱費が一切かからない。お金もあまり使わないだろう。自宅は、休日に時々様子を見に行けばよい。
「ハルコ」にとって冬も元気に過ごせる、まさに願ったりかなったり、の職場だったのである。
積雪の朝
朝7時、宿舎の出入り口で、一生懸命雪かきをしている小柄な一人の女性。管理人の「ハルコ」だ。
昨夜雪が降ったので、宿舎の出入り口、階段の雪かきをしているのだ。
スキー場迄の道には既に除雪が入っているが、宿舎の出入り口や階段は、雪が積もっていて滑りやすい。出勤するスタッフが出入りしやすいように、また滑ってケガをしないようにと、積雪があった翌日は少し早く起きて凍りついてしまう前に雪かき作業をする。
降ったばかりの雪の除雪は、雪が軽い為比較的容易で、そんなに時間はかからない。とても慣れた様子で作業をしている。
ダウンコートにニット帽、ネックウォーマー・作業用の防寒手袋、防寒長靴、寒さ対策も万全にしているので、寒くても平気なようだ。
「おはようございます!お疲れさまです!」とスタッフの一人が挨拶をしていく。
「ハルコ」は手を止めて頭を上げると、声がした方に向かって挨拶をした。早出のスタッフが出勤の為、宿舎を出て行ったのだ。
もう朝食の時間だ。しばらくすると他のスタッフも出勤の為、宿舎から出てくるだろう。スタッフ食堂は宿舎から5分程歩いたスキー場の建物の中にある。
彼女は作業を終了して一度宿舎に入っていった。
5分ほどして、大きなゴミ袋を両手に持って出てきた。朝食に行くついでに、宿舎から出たゴミを、スキー場のゴミ集積場迄持って行くのだ。
女子寮には女性が20人程滞在しており、多い時期は30人くらいになる。生ゴミはほとんど出ないが、ペットボトル・ビールの空き缶・お菓子の袋など結構な量になる。
いつもは軽トラックでまとめて運んで貰うのだが、来てくれない日もあるので、時々運んでいくのである。
スキー場での荷物の運搬にはソリがかかせない。重い荷物を持って、雪の上を歩くのは困難だからだ。ソリを使うとゴミ出し作業もバランスをとるのにコツがいるが、作業が楽になる。
玄関の出入り口付近に立てかけてあるソリにゴミ袋を乗せて、落とさないようにゆっくりとソリを引きながら、スキー場に向かって歩いて行った。
スタッフ食堂がある建物のすぐ横にゴミ集積場がありゴミをそこに出す。それから朝食に向かった。
業務開始
朝食を済ませ、宿舎に戻ってきたのは、8時15分。建物内はほとんどの人が既に出勤している。
休日のスタッフが数人部屋にいるようだ。玄関のシューズロッカーにはスリッパが並んでいるが、その中にまだ数足長靴が入っている。休日のスタッフが数人部屋にいるようだ。
各自ルームシューズや、スリッパを用意しているが、変わったデザインでおもしろいものを履いてる人もいる。
すぐに業務にとりかかる。宿舎内の清掃だ。
建物内の1階は、共有スペースになっており、風呂場・トイレ・洗濯場・休憩ルームがある。また管理人室も1階にあり、管理人室の奥が「ハルコ」の部屋になっている。
2階と3階はスタッフの部屋が20部屋あり、各階にトイレ・洗面、ミニキッチンがある。10代から50代迄の女性が各地からリゾートバイトに来ている。
20代・30代のひとが多いが、40代・50代のひとも居る。中には正月休みを利用して一週間ほど滞在する高校生など幅広い年齢層のひとがいる。
玄関、廊下、階段、風呂場、トイレ、洗濯場、休憩ルームの共用スペースをひとりでこなす。毎日全ての場所はできないが、毎日数箇所を順番に清掃する。ただトイレ・洗面・風呂場だけは毎日行うようにしている。
清潔であるのが生活の基礎、スタッフが快適に過ごせるようにと心がけているのだ。
まずは1階から。風呂場の窓を開け、足拭きマットを外に干す。浴室・脱衣場をてきぱきと掃除していく。
今日は新しく入るスタッフの部屋の清掃を行う。部屋に入ると窓を開けて空気を入れ替え、掃除機をかけ、布団・枕・シーツを部屋に運び入れて準備完了。
それから宿舎内の備品の補充や、蛍光灯がきれていないか、暖房が効いているか等設備の点検もかかせない。それぞれ清掃の時に確認していく。
壊れた箇所があれば、管理者に連絡し修理にきてもらうのだが、可能なら自分で修理する。昨日は、玄関のドアのパッキンが壊れていたので修理したところだ。
10時半になったので、少し休憩をする。
コーヒーブレイク
11時過ぎ、清掃を終えると少し休憩。さすがに3時間掃除していると少し疲れてくる。
ティファールでお湯を沸かし、コーヒーを煎れた。ドリップパックコーヒー・紅茶ティーバッッグ・日本茶ティーパックを常備し、毎日休憩時間に飲むのが楽しみだ。、
休日のスタッフの一人が洗濯室から出てきた。洗濯物を洗濯機に入れてきたところのようだ。管理人室の前を通りかかったので声をかける。
3日前ここに来た20歳の「アコ」だ。今シーズン初めてのリゾートバイトだという。レストラン勤務で、今日は初めての休日のようだ。ちょうどお湯が沸いたところだったので、コーヒーを淹れてあげて一緒に飲んだ。
洗濯が終わるまで少し話す。若い子は娘や孫のように感じてしまう。
毎年来ているスタッフなどはもうスキー場での暮らしに慣れているので、特に心配はしないが、初めて来る子はやはり心配になるのである。
「そういえば、お土産で頂いたラスクがあったわ」 と自分の部屋からお菓子の箱を持ってきた。
「ハラダのラスクだ。これすご美味しいんですよね」と言った。若い子はよく知っているなと思う。話しているといろいろと刺激になるのだ。
寮での生活・仕事で困った事がないかを聞いたりする。彼女は今のところ一人部屋だが、来週から20代の人が入って来る事も伝えた。
幸い仕事も問題なくこなしてるし、職場のレストランでは、仲良くなった子ができたらしい。楽しく過ごしてるようで「ハルコ」はほっとした。
今日は午後から休日が同じになった同僚と滑りに行くようだ。今回スノーボードウエアとスノーボードを新調したという。スノーボードもスキーもしない「ハルコ」だが、寮にきているスタッフから聞くので、意外と知っている。
しばらく楽しい会話を楽しんだ。
午後の仕事はのんびり
休憩を終えると外に出て、残っていた、スノーダンプで宿舎の周りの雪かき作業を始めた。雪が降り続いた際の除雪はさすがに辛いが、今日はそう積もってないからすぐ終わるだろう。
他の人から見ると、すごくたいへんそうに見えるが、本人は体を動かす事が好きなので全然平気なのだ。30分程で終えた。
通常は清掃が終わると、管理人室で留守番をする。
宅配業者や郵便配達員が毎日のように来る。入寮者の荷物の受け取りをし、また発送する荷物を宅配業者に渡す。
郵便の受け取り、入寮者の荷物の受け取り、入寮者が出す荷物の集荷などで宅配業者が毎日のように来るのだ。また、この時間に業務日誌をつける。
留守番はイスに座り、好きな歴史小説を読んで過ごすことが多いが、時々パソコンでインターネットで好きなものを検索したりする。
昨年の夏に息子の勧めでパソコンを始めたのだ。パソコン教室に何度か通い、インターネットで好きなものをようやく検索できるようになったのだ。
息子が買ってくれたノートパソコンを持ってきていて、時々開いている。今度ネットショッピングをしたいので、今度若いスタッフに聞いてみようと思っているところだ。
午後1時過ぎになると、昼食は日替わりのお弁当をここで食べる。
午後2時、大学生が2人、入寮した。2週間ほど滞在するらしい。荷物は既に届いていて、玄関先に置いてある。
部屋に案内し、一通り宿舎内の場所や使い方、注意事項等を説明する。会社側から支持された部屋割りに沿って部屋を準備し案内する。
既に入っている人の部屋に新しく入ってくる場合は、既に入ってる人に事前に知らせておかなければならない。今日は友達同士のふたりなので、安心だ。
案内を終えると、風呂の準備をする。まずボイラーのスイッチをいれにいく。
これを忘れると、入浴時間になっても湯船が水になることもあるので、絶対忘れてはならない作業だ。
浴室の窓を閉め、外に干してあるバスマットを取り込み、脱衣場に敷く。再び管理人室に戻った。
午前中は忙しいが午後はゆったりとした時間を過ごせるのだ。何かあった時以外は、午後はゆっくりできるのだ。
仕事を終えたスタッフが帰ってきた。早番のスタッフだ。業務によって、帰ってくる時間もまちまち。
夕食を従業員食堂で食べ終えてから、帰ってくるという遅番スタッフも多い。帰ってきてから直ぐにまたスキー場迄戻るのは面倒なのだ。
「ハルコ」は午後6時前に夕食に向かった。
夜の業務
食事を終えてからは休憩だ。部屋に戻って、入浴・洗濯をすませ、テレビを見て過ごす。
スタッフの部屋にはTVはなく、共同休憩スパースに1台あるだけだが、管理人の部屋だけTVが設置されている。管理人の特権だ。
他のスタッフは休憩ルームで見たり、スマホのワンセグで見たり、中にはポータブルTVを持ちこんでいる人もいる。
スタッフのひとりが、風邪をひいたようで、薬がないかと聞きにきた。管理人室にある薬箱から、市販の風邪薬を取り出し、3袋渡した。
寒い季節で、慣れない所での共同生活で、体調を崩す人も少なくない。多少の常備薬は置いてはあるが、風邪のひとが多くなると、皆に行き渡らない。各自常備しておくと安心だ。
また、シップや絆創膏なども常備しておくといいかもしれない。
「ハルコ」は、暖かくしてゆっくり寝るように言い、、薬の他に自宅から持ってきていたしょうが湯のティーバックを手渡した。ちょっとした気遣いをしてくれるひとなのである。
午後10;00 風呂のボイラーのスイッチを切り、風呂場の片付けをざっと行い、廊下の電気を消し「ハルコ」の一日は終了した。
仕事も休日もマイペースで
管理人業務は1日8時間勤務といっても、マイペースで仕事ができるのがいい。
スタッフの怪我や病気などの対応やイレギュラーな事が起きる場合もあるが通常は自分のペースでできるのだ。、
「ハルコ」は、なるべく午前中に清掃などをして、午後はのんびりしていることが多い。もし滑りたい人なら、昼間の1・2時間を空けて滑ることが可能だ。前任者は、40代のスキーをする人だったと聞いている。
晴れた日の休日、リュックを背負い、一時間以上かけて、麓の温泉に行ったり、スーパーに買い物に歩いて向かう「ハルコ」。
雪国育ちの彼女は冬の雪道も平気なのだ。また朝5時に起きて電車で自宅の様子を見に行くこともある。本当に元気なスーパーおばさんなのだ。
今度の休日は晴れたらスキー場に行って、ゴンドラで山頂まで景色を見に行ってみようと思う「ハルコ」だった。
※本文の登場人物、「ハルコ」こと、朝日晴子は仮名です。
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